手網
どうも!!焙煎士です。
珈琲焙煎舎は手網焙煎です。
人の手に依る焙煎です。
火から離して、火の上でぐるんぐるんしています。
フライパンや鍋はコンロに置かれているので火力調整だけで火加減を調整しますが、
手網焙煎は空中に浮かせた状態なのでたとえば20センチ離してると
思っていても自然と数センチ数ミリずれます。
火との距離が常に一定ではなく、微妙に常に変化しているわけです。
これが私レベルになるとすべて分かっているので意識して変化させています。
その手網を振る(回す)のですが、ここでも火との距離が微妙に変化しています。
指先や掌の力の入れ具合や、手網の柄の角度、手網を振る(回す)速度などで
本当に繊細な変化をつけています。
数ミリ数センチ単位、秒単位で。
これが実は美味さの秘訣。
味わいに奥行きを与えるのです。
機械釜には絶対にできない、手網焙煎にしかできない芸当ですね。
釜でこれやろうとするとすぐ焙煎ムラになります。
少量ずつ焙煎している手網焙煎だからこそできるプロの技です。
しかも、
焙煎度合いや銘柄によってこれまた微妙に変えます。
マンデリンにはマンデリンに適した、コロンビアにはコロンビアに適した焼き方が
あるのです。
焙煎度合いを深煎りにするか、中煎りにするかでも焼き方が変わります。
焼いて途中で止めれば中煎りや浅煎りになると思ったら大間違い。
中煎りには中煎りの、深煎りには深煎りの焼き方があります。
手網焙煎は機械釜に比べれば安定度は低い。それは事実です。
極論すれば毎回味が違う、というくらいの差を付けることができます。
ボクはそれを否定的に捉えるのではなく、コーヒーの面白み、奥深さと思って貰えれば
いいなと思っています。
「お、今日は少し甘味が強い」「前回のより酸味が抑えられてる気がする」
なんてことを楽しみつつ味わってみて下さい。